On Your Marks…~君と共に~
「あ…。」
「あっ!」
今外周を走り終えた様子の川口と思わず鉢合わせしてしまった俺。
川口の甲高い声が、俺の耳をキーンと貫いた。
「よかった、来てくれて。勝木の家まで行く手間が省けたよ。」
毒舌女こと、川口澪が意地悪そうに笑いながら俺に話しかけてくる。
俺は、その間ゆっくりと、その場でストレッチを始める。
「お前が来ても絶対家には入れねえよ。」
「…そしたら、窓割ってでも入ってやる。」
「不法侵入罪で逮捕するぞ。」
「ふんっ!…やれるならやってみろっ!」
「おーいっ!瞬っ!着替えたかー?」
遠くのほうで島口が俺を呼ぶ声がする。
「走るの?」
目の前の川口がうれしそうに微笑む。