On Your Marks…~君と共に~
__「Go!!」
俺は勢いよく地面を蹴りだした。
俺はこの感覚を知っている。
自分の足が確実に地面を押し、空気をも押す。
リズムよく足がまわる。
風が俺と共に走る。
ほんの数秒間の世界。
その世界に俺らスプリンターは全力をかける。
時間という細かい粒と俺らは戦っている。
その世界に俺は今帰ってきた。
今確実に俺はスプリンターとしてのスタートラインを切った。
「…っ…!」
ゴールした瞬間、どっと疲れが押し寄せる。
久々の100m。
コンディションは決してよくはない。
何か月……いや、何年ぶりに全力で走ったか…
俺は肩で息をしながら、タイムを計っていたコウに目をやる。
ほかの3人も、肩で息をしながら、俺と同じようにコウを見ていた。