On Your Marks…~君と共に~
「1着の瞬は…っと…っえ!?」
コウはストップウォッチを見て、目を見開く。
「コウ…どうした…?早く言えよ。」
シマがコウを急かす。
さすがせっかちのシマ…
「す、すまね。…っと、瞬のタイムは…10秒…9…1…」
そのタイムを聞いた瞬間、場は一気に静まり返った。
息が詰まったような表情になる、周りの部員たち。
俺は、そんな中、はぁ…と入りため息をついて、その場にしゃがみ込んだ。
やっべ…
かなりタイム落としちまったな…
10秒5を切れないのは…かなりやばくなってるってことだよな。
意外と…取り戻すの大変そうだな。
ブランクが大きかったか…
「勝木っ!あんたはまだ風には程遠いぞー!サボるからだバーカっ!」
相変わらずの毒舌女の声が俺の耳に届いた。
俺はゆっくりと立ち上がり、その声の方向を見る。
グラウンドの向こうのほうで、片手を大きく振りながら、いまだにバーカと大声でこちらに叫んできている。