LOVEPAIN③
「それより、お前は広子の事、もう好きじゃないの?」
成瀬は私を見ると、ナツキに視線を向けた
「もうもなにも、初めっから好きじゃないですよ。
でも、広子だってそうだし、
俺達の関係って、そんなもんなんすよ」
そのナツキの言葉に、
成瀬は本当か?と言うように、私の方に視線を向ける
私は、頷いた
「あ、べつに、広子が駄目とかじゃなく。
俺、女を好きになれないんですよ。
本気になんない。
かと言って、男が好きってわけでもないですけど。
だから、わざわざこんな場所迄、二人で押し掛けて来ても。
俺に何が言いたいの」
そうやって笑っているナツキは、
嘘は付いてはいないと思う
そして、私がフラれる理由なんて、
私自身きっとどうでもいいのかもしれない
私が何が知りたくて、こんな場所迄来たのか
「広子、お前はどうしたいんだよ?
お前らの関係はよく分からないけど、
これで何も言わず終わっていいのか?」
成瀬は煮え切らない私に対して怒っている訳ではないが、
なんとなく、言いたい事を言えと、そう急き立てている
「――ナツキさん。
今日、私が此処に来たのは、気になったんです。
もう一度会って、訊きたかったのかもしれない。
ナツキさん、本当は何かに苦しんでいるんじゃないか?って。
それを隠す為に、自分を偽って」
あのデートした日、白いベンツの中で見た、ナツキの本当の顔
そして、それと一緒に隠されている、その苦しみ
それを知りたい、と思ってしまう