LOVEPAIN③


「自分の好きな女が、あんな風になってる姿見て、平常心でなんかいられない。

涙が溢れて来て、胸が苦しくて、まともに息すら出来なかった。

目の前のものが受け入れられなくて、
こんなおぞましいものがあるのか、って。

本当に吐きそうで……。

自分の中のもの、全部吐き出したくて」



さっき迄は、辛い過去もわりと平然と語っていたナツキ


でも、今は違う




「もういいですよ、話さなくて」


そう止めてしまうくらいに、
その表情は苦しそうで






「元彼女がAVに出てて、AV女優に復讐か何かする為に、こいつに近付いたわけ?」


その成瀬の言葉に、
あ、と気付かされる



だから、ナツキは私を傷付けたくて




「いえ。ホストクラブで働いてたら、AV女優が客で来るなんて珍しくない。
実際、俺の客にも何人か居ますし。

ただ、広子に近付いたのは、AV女優な上、雰囲気がその彼女に似てたんです。
復讐、とかそこ迄考えて無かった。

それに、可愛い後輩がAV女優に騙されてんじゃないかって気になって」


その言葉に、あ、と須田を思い出す


そして、須田がいつか言っていた、あの言葉も



“――ナツキさんは俺の為に、俺からお前を引き離してくれたんだよ!
お前みたいなAV女優のビッチ……。

俺の目が醒めるように、あんな事迄して――”




「実際、近付いたら思ってた程、広子は嫌な女じゃなかった。

でも、簡単にケイを裏切って俺と浮気して、そんな所も昔の彼女みたいで、吐き気がした」



「ごめんなさい……」



謝る相手は、ナツキではなく須田なのだろうけど、
その言葉が口から出てしまう



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