LOVEPAIN③

「で、もう、店には二度と来ないで」



「え、はい。

やっぱり、今日とか迷惑でしたよね?」



私が来て、平然としていたけど、本心はナツキも動揺はしていたのだろうか?




「ううん。
ケイに釘刺すように言われてんの。
お前の事を客にすんな、って。
お願いされて。

俺はお前に近付いた時、その気も有ったんだけど、
ケイがそう煩いから」



思わず、須田を探してしまうけど、
今も彼の姿は私から見えない



あんな酷い別れ方をしたのに、
そんな風に私の事を思ってくれていて




「じゃあ、もうナツキさんとは会えないですね?」



短い付き合いだったけど、
そう思うと、やっぱり寂しい




「んー、友達でいいんじゃない?
また時間が合えば、飯でも行こう。
なんなら、成瀬さんも一緒に」


ナツキはそう言って、笑う


先ほど迄とは打って変わって、
今は凛としたホストの顔



俺、そろそろ違うテーブル行くから、と言って、
ナツキは立ち上がった




「成瀬さん、この仕事に就いて、今さらながらあいつの気持ちがよく分かったんです。

ここに来る客、あいつのような奴も多いから。
彼氏や旦那や好きな相手が居ても、寂しくて。

だから、広子も……」


ナツキは成瀬に頭を下げると、
背を向けて離れて行く



そっと成瀬の方を見ると、何かを考えるように遠い目をしていた




そして、こちらを向くと、
帰るか、そう言ってソファに深くもたれていた






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