ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
気まずそうに頭をかいた涼依はぎこちなく中へと促した。





別に涼依を部活に連れ戻そうとしてる訳でも怒りにきた訳でもない。


なるべく明るい雰囲気で、を心がけて笑顔を絶やさない。





涼「えっと...俺の部屋でいいかな...?」





困ったように首筋をかく涼依はちらりとこちらを振り返って言った。





友達とか、家に来ることに慣れてないのかな。


でも友達とワイワイ騒いでるような性格でもないし、恐らくそうなのだろう。





猫が小さな声で鳴いたことでハッとした様子の涼依は再びこちらを振り返った。





涼「2人とも、...猫大丈夫?」





主人の顔を見上げて何かを訴えるように鳴き続ける猫。





「別に大丈夫だよな?」




郁「ん?」




「猫。郁翔好きな方だったよな?」




郁「うん。...え?どこに猫?」




「...涼依に抱かれてるじゃんか」





気づくのおそ。



ボーッとしてるのか鈍感なだけなのか。





やれやれと首を振ると、涼依が微かに笑みを漏らした。


感情をあまり表に出さない彼が笑うその顔は実に可愛らしいものだった。





だからファンも多いんだろうなぁー...





3年のなかでは里苑の次に人気がある。





2人は親友であるがお互い人に執着するタイプではない。


なので2人がともに写っている写真はかなりの高値で売れるらしい。





...もうアイドルとしてやってけば?





ホッとした顔の涼依はまたスタスタと早足で階段をのぼっていく。





案内された涼依の部屋は必要なもの以外の邪魔なものが一切なく、高校生っぽい雰囲気が感じられなかった。


良く言えば大人っぽくて涼依らしい部屋だ。





涼「飲み物とか、いるよね」





ぎこちない口調でそう言った涼依は適当な場所に俺と郁翔を座らせ、腕の中の猫を下におろした。





「持ってくるから、待ってて」と軽く目を泳がさせながら部屋を出ていった涼依を追うように、猫も去っていった。




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