ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
郁「なー、こいつなんて名前?」
なんとなく重い空気の中、郁翔の無邪気なこの質問はありがたい。
涼「フィーネ」
「フィーネ...?フィーネって終わりって意味じゃねぇの?」
郁「あ、音楽の授業でやった記憶あるわ」
涼「こいつ、洗濯したてのタオルの上が大好きで。だから、匂いが移ったのかも」
名前を呼ばれたネコネコ、否、フィーネは、主人の元へと走り寄って行ってしまった。
心なしか寂しげな郁翔に構わず、涼依の膝の上に乗ったフィーネは喉を鳴らしながら丸まった。
愛しそうにその背中を優しく撫でる涼依に、無意識に微笑んでしまう。
涼「ところで、2人はどんな用で...?」
「...えーっと」
郁「さあ?特に何も」
涼「え?」
「何もなくはないんだけどさ...!」
郁翔の軽く放った言葉を慌てて弁解しようと話すことを考えるが、何故か架月の顔ばかり、というかあのマックのグミが離れなくて、次が出てこない。
あぁぁあ...変なところで架月に頭が支配されてる。
消えろ消えろと頭の上で手を振るけど、架月の高笑いは消えるどころか大きくなってる。
あ、なんか頭おかしくなりそー
涼「...なんか、穂陽変わったな」
郁「“変えられた”の方があってるかも」
涼「変えられた?」
郁「お前にも会わせたい面白いやつがいるんだよ!」
身を乗り出して生き生きとした表情をみせる郁翔に、涼依は目をぱちくりして困っている。
涼「や...でも、」
郁「ちなみに、里苑はもう虜だぞ、その子に」
涼「...里苑が?」
自分と同じ、1人の人に執着するタイプではない里苑が郁翔のいう“面白い子”に虜、というのがどうも信じられないのだろう。
そんな思いの反面、少しだけ興味が湧いたようにも俺には思えた。
郁「だからさ!家に閉じ籠ってねぇで学校行こう!」