ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
―翌日、朝。





微妙な返事をした涼依を何としてでも家から引きずり出すため、郁翔と自宅に迎えに行く俺。





いやなんで俺まで?と思ったけど、 断ると駄々をこね始めるので大人しく言うことを聞いておく。


なんだかんだ振り回されてんな、俺。





郁「涼依、どんな顔するかな。すげぇワクワクするんだけど!」





蝉の鳴き声が澄み渡った快晴の空に響く。振り返った眩しい笑顔が、太陽みたいだ。





郁翔のこういう、良い意味での子どもっぽさが好きだなぁって思う。


初めて郁翔に会ったときも、そんなようなことを思ってたかも。





「でもあんまり無理矢理連れ出すのはやめてあげよう」




郁「えーなんで?」




「涼依にだって心の準備が、」




郁「あれ!なんで?りょーいー!」




「...」





話してる途中、涼依宅の前に手で日影をつくってる涼依本人が制服姿で立っていて、驚きながらも郁翔が駆け寄っていく。





俺らに気づいた涼依は、控えめに片手をあげて挨拶をした。





「おはよう」



涼「あ、...うん。おはよ」





昨日の対応と変わらないのをみると、ただ照れてるんだなと解釈した。





まあ架月といれば自然とそういうのもなくなるんだろうけど。


今日も日影でハルとじゃれてんのかな。





思い出しながら、3人で歩いて学校に到着。





サッカー部の定位置、朝、校舎の影になる場所にその姿はあった。


相変わらず楽しそうに、練習前のハルと押し相撲をしている。





郁「ほら、涼依、あそこにいるいかにもバカそうなのが架月。昨日話したやつだよ」





郁翔が指差す先を見据えた涼依。





直立したまま片時も視線を外さない涼依に、得意気になって郁翔が笑う。





流石だなぁ...どんな人であっても、架月の不思議なオーラに魅せられてしまうんだから。


勿論俺だってその1人なんだが。





夏「あ、郁翔さんに穂陽さん。おはようございます」





野球の帽子の鍔を逆向きに被った夏閃が後ろにいて、2人で挨拶を返す。





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