ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
唐突にきた知らない顔の先輩に1年は戸惑っていたけど、その才能に魅せられ、たった1日で心を開いた様子。


涼依はどうなのかわからないけど。





夏だから6時まだ日が高い。





サッカー部は昼までだったみたいで、うるさい架月もハルもいない。


3人で肩を並べてゆっくりと歩く。





涼「今まで、ピアノを理由にダンスに顔出さなくなってて、...ほんと、ごめん」




郁「別に怒ってはないよ」




「うん。ただ、涼依がいてくれると、助かるんだ」




涼「?」




「涼依には才能があるから、助かるし勉強になる」





顔を合わせながらそう言うと、涼依は少し頬を赤らめて首筋に手をやりながら地面をみた。





照れてるのが一目瞭然。意外と恥ずかしがり屋なのに、涼依は嫉妬するくらい多才なやつ。


こういうやつを逸材って呼ぶんだなと、考えが汲み取れない横顔をみて思う。





多才なところとか、そういう横顔とか、里苑と似てる。だからこそ仲がいいんだろうなぁ。





郁「なぁなぁなぁ!見てよこれ!」




「あれ郁翔。いたの?」




郁「拾い物してたの!」





そういう郁翔の手には黒い長方形の物。





中身を覗いた郁翔が取り出したのは、誰もが大好きだろう諭吉の顔が描かれたこれまた長方形の紙。





郁「金持ちの財布拾った」




涼「さらっと凄いもの拾ってる」




郁「どうしよう!」




「お巡りさんだね」




郁「え!この辺りに交番ってどこにある!?」




涼「...さぁ」




郁「こういうときに役に立つのがスマホ!」




「土地鑑無さすぎでしょ」





なんで交番の場所も知らないの。何年ここに暮らしてんのって話。





郁「うぇぇ...!穂陽知ってんの!?」



「郁翔うるさいからそれ俺に預けて帰れ」





財布を渡すように催促すると、あたかも自分の物のように大事そうに財布を抱き締めて「嫌だ!」と駄々をこねる郁翔。




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