ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
部屋の扉が閉まって少しの間を作ったあと、口を開いたのは彼。





悠「あの...すみません」




「別に、それはいいけど。...彼女のこと、好きなの?」




悠「、!?」





息詰まった彼はむせて咳き込んだ。





苦しそうにしながらも誤解だと言うように右手を必死に振る彼。


爆弾だったか、今の発言は...





悠「す、すすす好きなんて、!そんな訳ないですよ」



「じゃあ、なんで?」





俺が彼女に触れることを嫌がったの?


好きじゃないならさっきの行動は、無意味じゃないか。





目の前の彼は微かに赤くなった頬を隠しきないで、静かに俺の言うことを聞いていた。





口に手をあてて伏し目がちの彼。


俯き気味だった顔をあげて困ったように眉を下げて笑った。





その笑顔は優しさに溢れていて、彼自身も気づいてない彼女への思いがあった。


ただそれが、恋なのかは定かではない。





悠「あいつは、妹みたいな、...放ってけないやつなんですよ。ホントに。だからちょっと、敏感になってんスかね...?」





首に手を回して照れたように斜め下に目をやる。





...なんか、里苑と彼女のやり取りをみていてもそうだったけど、こういう話を聞くのも羞恥を感じる。





くすぐったいというか、自分の経験したことない気持ちばかりが彼の口から飛び出るから、慣れない。


そう思える存在がいることが羨ましい。





悠「...仮に俺が架月のことを好きでも架月は俺のこと、好きになんてなってくれないですよ」




「?」




悠「架月にとって俺はいい友達止まりだと思うんです」




「...よくわからないけど、...里苑が邪魔をしてるってことは...ない?」





みてたって、“そういう”雰囲気があるのは里苑とだし、どちらかというと彼は付き人みたいで。





恋心を持っていたって、伝える隙もチャンスもないんじゃないか...



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