ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
サッカー部とそのマネージャーとして誰よりも近くにいる筈なのに、彼女にとっての特別な人になることを諦めるなんて。





それでも笑ってられる彼が、ただ眩しくて痛いくらい切なくて。





悠「まあ、誰も奪いに来ないならそのときは貪欲に行きますけどね」





突然悪戯っ子のように何かを企む顔付きになった。





彼女は大変な人に目をつけられたなんだな、とその顔をみて思った。





「(好き、かぁ...)」





恋多き(本気かどうかはわからない)里苑とは違って、恋愛とは無縁といっても過言な俺。





一途に特定の人だけを好きになるって、どんな感じなんだろう。


四六時中ずっと頭から離れないのだろうか。





一度くらい味わってみたい。


身が焦がれる程、熱くて甘ったるい恋する気持ちを。





「ありがと。話してくれて」





彼が友達以上の存在になることは、不可能じゃない。





その可能性を捨てて支えることを選んでも、彼にとってはプラスになることが少なからずひとつはあるはずだ。





プラスになることを、手助けできたらいいのに。


彼がそれでも、幸せだと思えられるように。








―ばたんっ...ドタドタ...





「...」





隣の部屋から何やら不穏な音が聞こえてきた。





...マジで俺の部屋入ったのかよあの2人。





静かな空間の中、彼と目を合わせてお互いに失笑してしまう。





悠「俺行ってきます」





すぐに出ていこうとしたが、扉に手をかけたままで振り返った彼。





悠「俺のことは、悠って呼んでください」



「え...?あぁ...わかった」





満足そうに頬を緩めた悠は、扉を開けて隣の俺の部屋に向かった。





走り回ってるのか、ドタドタという足音はやまない。


部屋がどうなってるのか気になって仕方ない。






悠に任せっぱなしも申し訳ないな。





足に乗っていたフィーネを椅子の上に移動させた。


不満気に俺を見上げたフィーネの頭を撫でて、一歩踏み出した。




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