ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
それと同時に再び廊下を走る音が隣からしてきた。





ばたーん、と扉が壊れそうなほど勢いよく開けられて予測はしてたけどびくっとしてしまう。





架「...えと、涼依さん...であってますか?」




「う、ん」




架「これ!」




「?」





彼女が持っていたのは、2年前、高一の時に出場(半ば強制)したダンス大会で優勝した写真だった。





日本各地から集まってきた高校生のなかで一番に輝いたが、楽しめればそれでいいからあまり関心がない。


のだが、何故に彼女がこんなに興奮してるのかが不思議。





架「涼依さんってやっぱりあの時の人だったんですね!!」





ずんずんと迫ってくるその気迫に圧倒されて心臓が速まる。





架「私、この大会観に行ったんですよ!涼依さん本当にかっこよくて、忘れられなかったんです!」





まさかこんなところで会えるなんて、と心底嬉しそうに笑うから、悠が好きになるのも分からなくないなぁなんて。


らしくもないことを思ってしまう。





写真を穴があくほど眺めながら、彼女はやけに饒舌に話を続ける。





架「“千景涼依”って里苑さんから聞いてて、もしかして?とは思ってたんです。でも、顔をあんまり覚えてないから、みても確信が持てなくて」





しかもピアノ弾いてるし。と付け加えた架月さん。





架「涼依さんの部屋をみたら、何かダンスに関することがあるんじゃないかと考えたんです!」





私にしてはいいこと思い付いた!とは言ってるけど、理由言ってくれないとただの悪趣味な人として捉えてしまう。





...でも、そういうことだったんだ...


何も考えてなさそうだけど。





架「...私、友達に無理矢理連れられてあの大会に行ったんです。全然興味ないから、つまんなくって」





懐かしむように写真を指でなぞる彼女。


やんちゃな瞳が、少し大人の穏やかさを纏った。そんな気がした。





ころころと表情が変わっていくのをこうして間近でみてると凄く、楽しい。


人間ってこんなに感情豊かなんだなと改めて思える。


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