ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
あぁ、多分。彼女だ。





沙絃たちの友達ということは、架月のことを知ってる可能性は大いにある。





なんとなく、彼女を考えている人の表情の変化は似てる。


まるで彼女に伝染しているみたいにコロコロと変わるから。





空「...架月が、怪我したらしくて、...」




沙、黎「なぁぁああぁぁにいぃぃい...!!?」




夏「ちょっと前の芸人みたい...」




沙「そ、早急に向かうぞ!藤坂氏っ」




黎「勿論だ日々野氏!」





訳のわからないやりとりをして、2人は慌ただしく音楽室を去っていった。





足音が遠ざかっていった頃、“ソラ”と呼ばれていた彼がもう一度俺と目を合わせた。


無意識のうちに背筋を正してしまう。





沙絃とは違った角度からくる静かでじわじわとせまってくるような威圧感。





これはこれで、苦手なタイプだ。





空「...高城空祈。2年生です」




「あ、千景涼依、です。3年生」




空「...沙絃と黎が迷惑かけましたよね」




「いや...!だい、じょうぶ」





でもないけど。


ここで空祈を怒るのも違うし。





空祈はそんな俺の心情を悟ってか、微かに口角を上げて笑った。





「っ」




空「夏閃、俺らも架月のとこ行くか?」




夏「そうだね。心配だし」




「あ!待って」





俺に背中を向けて踏み出した彼らを引き止めると、はっとしたような顔をした。





夏「すいません。挨拶もなしに立ち去るのは失礼でした」




空「それじゃ、俺ら行きます」




「そういう訳じゃなくて」





おの2人は失礼極まりないというのに、この2人は怖いくらい礼儀が正しい。


育ちの違いというやつなのか。





「俺も、行っていい?」





そうお願いしてみると、空祈は少し目を見開いて驚いている。


しかしすぐに自らでいろいろと解釈したのか、小さく頷いた。





3人で廊下を歩いていると、通りすがりの女たちがきゃあきゃあと賑わい始める。


うるさ...1人でいるときよりも更にうるさい。





多分空祈と夏閃のおかげで2倍になってんのか。



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