ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
扉から顔を覗かせると、一気に廊下にいた女たちが沸き立つ。





最後尾がみえないくらい列をつくっていて、誰に対してかわからないかどすげぇなと思う。





里「どうも~」




全「きゃあぁーーーっ」




「アイドルだな」





軽く挨拶しただけでこの悲鳴。






クラスメートに戻れと言われて逃げるように教室に入ると、廊下からブーイングが押し寄せる。


ごめんな、俺が浅はかだった。





こんなんで後半のダンス発表全力だし切れんのか?





もう大分体力吸いとられていったし、運が悪ければ列が途切れず会場に向かえないかもしれない。


万一そうなったら最悪だ。





「...はぁ」




里「どした?涼依」




「ん。...いや、何も」




里「...」




女1「そろそろ再開しまーす」






何か言いたげな里苑の次の言葉はカメラ係の女に遮られた。





暫く目をあわせていたが、列の先頭にいた客が入ってきて里苑が先に逸らした。





どれだけ女に話しかけられても、俺はずっと上の空で。





頭を占めるのは夏のあの日から彼女のこれ以上ないという程の笑顔。


これまで見てきたなかで人の中で一番綺麗だと、心の底から感じた。





紛れもなく架月は、大切な人だ。


恋をしていてもしていなくても、それは変わらない。






―――また、笑ってくれかな。






女1「っ」




女3「...っヤバい...!」




里「え!?ちょ、大丈夫!?」





カメラの女は頬を赤くし、隣の女はそれ以上に真っ赤に染めて意識を失った。





なにがどうなったのか状況判断に苦しみ里苑に目をやると、「お前が原因だよ」とでも言いたげに苦笑いをした。





「取り敢えずその子、保健室連れてく...?」





カメラの女は口を手のひらで覆ったまま動かなくなっていて使えないので、里苑と一緒に女を保健室に連れていくことにした。





廊下にいるプラカードをもった男に事情を説明して少し席を外す。





里苑が女を抱えていることに気づいた瞬間、声の振動で窓ガラスが割れそうなほど黄色いものが飛び交った。




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