ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
保健室につくまですれ違う女の奇声は止まらず、うんざりする。






里「百合保せんせー」





両手が塞がった里苑の代わりに扉を開けるとすぐに、養護教諭の百合保が丸いすに座って暇そうにしているのがみえた。





百「あら、白嵜くんに千景くん...と女の子」




「なんか勘違いしてます?」




百「三角関係かと」




里「せんせーが何言ってんスか」




「勝手に気ぃ失ったんですよ」




百「じゃあそこに寝かせて。あとは私が面倒見るから、帰っていいよ」




里「はーい」





先生が指差したベッドに女を寝かせると、あまりクラスのやつを困らせる訳にいかないのですぐに保健室を出る。





無言のまま階段を登っているとふいに、里苑が足を止めた。






里「涼依、変わった」






振り返ると久しくみていなかった真面目な顔付きの里苑がいて、咄嗟に言葉が浮かばなかった。





里「さっきも、誰かのこと考えてたでしょ」



「...っ」





見透かされてる。顔に出てたのか。





彼女に感染されているのは、空祈たちだけじゃない。俺だってその1人だ。





どこまでも容赦のない。いつまでも頭から消えてくれないから。


だから君のために、自分に出来ることがないかと柄にもなく一生懸命になるんだ。





里「好きなんでしょ?」




「はっ?」




里「まさか気付いてない?」




「...絶対にない」




里「あんな表情みせといて、納得するかよ」




「...」





怒ったようにムスッとする里苑。





...確かに、俺が彼でも同じことを言っていた。





どんな表情をしていたのかは知らない。けど、里苑がそういうくらいだから、好きな人がいると勘づかせる顔をしていたのだろう。





額に手をあてがって階段に座り込む。





「どう隠したらいいか...分からない」





沸いて出てくる様々な想いを、どこにどうぶつけたらいいのか、どう付き合っていけばいいのか。





思考が交差するほど、また新たなものが生まれてきて、収集がつかなくなる。




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