ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
里「もう思いきって告白しろよ、悩むくらいなら、」
「好きなんかじゃ...!」
里「...」
「好きなんかじゃない...」
もう何度も言い聞かせた。“一時的な感情”だと。
ただ彼女の、笑顔の理由になれれば。一瞬だけでも2人だけの世界が生まれれば。
そうすれば何もかもなかったことになる。
懐かしい思い出として、終わってくれる。
それ以外のことは、彼女には求められない。
里「...そうやって自分を、誤魔化すしかないのか」
「誤魔化してなんてない」
里「素直になってみろよ」
「里苑」
里「本当の本音は、どうなんだよ...!」
足音荒く近づいてきた里苑が俺の肩を揺さぶる。
俺を見下げる里苑の眼は焦りと怒りを含んでいて、端正な顔立ちなだけに鳥肌がたつ。
里「お前のそういうところ、たまにイライラすんだよ」
「...」
里「大切なとこは全部押し殺して、1人で苦しんで。今まで生きてきて、思ってること何回口にした?何回我慢した?」
こんな気まずい空気のときに限ってどうして、誰もここにこないのだろう。
沙絃でも黎でも、なんだったら架月でもいい。騒がしくして、ごちゃっとさせてくれる人が来てくれたらいいのに。
里苑の言うことに何も返せない。強がりも言えない。
里「俺は、...お前の親友だと思ってる。だからこそ...簡単に諦めてほしくない」
力なく肩から手を離した里苑は人1人分以上の間を空けて腰を下ろした。
前髪をかきあげながら、長く浅い息を吐く。
里「俺みたいに、めちゃくちゃに恋してきた訳じゃないから、好きって認めるのも難しいんだろ...?」
難しい...
架月を好きだと、認めることが難しい...?
「ちょっと、違う」
里「?」
「怖い、んだと思う...」
―架月を好きになったその先は?
「彼女に恋をしたその末が、俺の知る男と同じ末路を辿るって分かってるから。...恋しくて愛しくて堪らない。けどその何倍もの痛みに耐えられる自信が、俺にはない」