ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
傷つく勇気も、影で支える強さも。





俺は悠みたいに、うまく自分を惑わせない。


現に里苑にバレてしまっている。





「好きだと認めたらもう、止まらない気がして...っ」





どうしようもなくなって、身勝手に架月を振り回して逆に傷つけてしまうかもしれない。





悠のいうように、架月のことを好きなやつはたくさんいる。





あんな小さな体に入る容量なんてしれてる。





そこに俺の恋心が追加されたら、本当に架月の心はパンクしてしまうだろう。





「好きじゃない」と、俺に必死に強がっていた悠の気持ちが今ならわかる。





“好き”だと再確認してしまえば、牽制していたものが暴れてしまうから。


言い聞かせていないと、おさまってくれない。





――それも、悪くないかもな。悠。





「...彼女と誰かを繋ぐ架け橋」



里「ん?」





傍にいるだけなんて、そんな残酷なことはない。





あえてそれを選ぶことで、無理矢理にでも前面に出ようとする気持ちを封じ込めることが出来るのかもしれない。





恋という厄介な感情を消すには、それ相応の痛みを味あわなければ、どうしても駄目らしい。





「...今日の午後、伝えるよ」




里「うん」




「ぼんやりとね。あと、感謝の気持ち」





この苦しい思いも努力の意味をくれたことも、全部架月のおかげ。





大切な人が出来るというのは、凄く優しくなれるということ。


自分らしさなんてどこかへ行ってしまう。





「それと、出逢ってくれたこと。一番に感謝したい」





指を折って伝えたいことを数えていく。





里苑も一緒に、視線を落として小さく頷きながら聞いてくれる。





里「涼依とこういう話が出来るなんて思ってなかった」





膝を抱えて足を上下にばたつかせる里苑は、どことなく嬉しそうに言う。





一緒になって見上げる白い壁。


脳裏に浮かぶ架月の姿で、無機な壁も色づいていく。





里「俺なんかよりよっぽど真面目で恋愛らしい恋愛してるし」




「うん」




里「涼依をそこまでにする女の子、みてみたい」



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