ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
外にまで漏れるほど、中は騒然としている。





流石に終わってすぐじゃ電話出れないか...





体育館の壁にもたれてしゃがみこむ。


...電話、出てくれなくて安心してる。





まだ架月を想えるなんて思ってる女々しい自分。





認めたらこれだから、最初から嫌だった。





「(もう全部里苑のせいにしよ)」





やるせない気持ちを里苑に押し付けて、長く息を吐き出す。





秋の予感を漂わす涼しい風が、熱をもった体を冷やしていく。


目を閉じて暫く、ぼーっとしてみる。





木々が揺れて葉が擦れる音。どこか遠くで言葉を交わし合う鳥の声。


...なんだろ、すごく幸せ。平和だ。





「~♪~~~♪」





思わず口ずさむ「歓喜の歌」。





日が少しずつ傾きはじめて、空と光の調和された感じが好きだ。


空気も澄んでるような気がして、何度も深呼吸してしまう。





体育館の賑わいも、だんだん静まっていく。





今架月はどこにいるかな。折り返しの電話がこないってことは、携帯をみてないのか...?





立ち上がり人の様子を見に体育館裏から出る。





顔を覗かせるとすっかり人影はなくなり、誰も残っていない。


安堵しながら中をみると、もちろん誰もいない。





二度目の電話。





...、3コール、4コール、5コール。


6コール目でやっと機械音から架月の声に切り替わった。





架『もしもし』




「架月、今どこ?」




架『ん?今?』





電話の向こうから誰かと誰かが騒ぐ声がする。


それは架月の声よりも大きくて迷惑。





架『皆といる~』




「沙絃と...、黎?」




架『そう!よく分かりましたね。あとハルちゃんもいます』





悠...


俺も今から当たって砕けにいくよ。





架『あ、涼依さん。凄く良かったです!2年前よりもずっと』



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