ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
電話口から架月の嬉しそうな声がする。





場所を移動したのか、2人のがやがやした声が無くなった。


クリアに耳元で聞こえるのは架月だけ。





体育館で架月を見つけたときと比にならないくらい脈打つ。


手に汗が浮かんできて、ぎゅっと握り締めた。





「2人きりで会えない?」そう、言うだけなのに。今までにないほど緊張している。


最初の一文字も口から出てこない。





あーもう...吐きそう。





首筋にあてがってた手を今度は腰につけて空を仰ぐ。


顔を動かして体育館の中を初めて見物するみたいにじろじろ見てみたり、...





どうしようもなくなって、いつもより余計な動きが増える。





前の会話より大分間が空いてしまった。


架月が俺を呼び掛けて、ようやく決心する。





「架月、今、会えない?」





顔が見えないだけ、幾分楽だ。





架『今から?涼依さん、どこにいるんですか?』




「体育館。架月は?」




架『屋上です。3時のおやつ食べてます』





恐らくクラスの出し物で出てた綿菓子やらポップコーンでも食べてるんだろう。





「じゃあ、そこに行く。他のやつら追い出しといて」



架『? 分かりましたー』





どうせなら、会って終わらせたい。





電話越しでなんて、そんな雑なことしない。


初めての恋を、乱暴に扱うほど大雑把じゃない。





スマホをポケットに突っ込んで、校舎へ向かって走った。





< 148 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop