ポジティブGIRLと愉快なBOYたち
動きを止めた彼女が、そっと頷くのを感じて嫌がってる訳ではないんだと安心する。





色んな言葉を探していたけれど、...





「ありがとう」





ありふれてるけど、これしかなかった。


この台詞以外、最初になんと口にしたらいいかも分からなかった。





伝えたいことひっくるめたら、「ありがとう」だけど。





君の存在が俺にとってどれだけ特別なのか。未知の感情を教えてくれた君が、どれだけ大切なのか。





ひとつひとつ音にしたい。





架「何をですか?」




「、まずは出逢ってくれたこと」




架「...」




「初めて逢ったとき、正直苦手だった。この子とはこの一回で終わりだなって思った」




架「第一印象最悪でしたよね...」





先輩に向かって指差して「誰ですか?」なんて、と過去の自分を悔いている声色で言う。





確かにそれもあった。それよりも、俺とは交わることの出来ない人種だと感じたから。





「架月は、いつも絶えず友達が周りにいるけど、俺は存在感薄くて静かで友達もろくにいないやつで、」




架「いやいやいや」




「騒がしくて、中心にいるような人とは無理だと思うだろ。釣り合わないから」




架「(そういうものなのか...)」




「...悪くなかった。架月といても、楽しかった。これまでの学生生活がバカらしく思えるくらい」





正反対の俺と架月だからこそ、きっとお互いに何かしら影響しあっていた。





俺は架月に、与えられたものの方が多かった。


逆に俺は、架月何を贈れただろう。





ただ楽しいだけのダンスに意味をくれたのも、誰かのために尽くしたいと思ったのも、恋を知ったのも。


原点は全て架月と出逢ったことから始まっていて。





与えられてばかりの中で、俺は...





「その反面、俺は架月に何をしてやれた?」



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