【完】クールな君に胸キュン中!
そう思ってるのは、きっとあたしだけじゃないはず。
だって、見てよあの松岡くんの笑顔。
すごく楽しそう、イキイキしてる。
まるでかつての旧友が、再びバスケする姿を見れて喜んでるみたい。
まるでじゃなくて、きっとその通りなんだね。
桐谷くんがそのまま、フリースローゾーンに入った。
だけどそこで、いつも桐谷くんに嫌味っぽいことを言ってくる生徒が立ちはだかった。
……ああ、マズイ!
このままじゃ、そやつに取られちゃう!
「桐谷!パスまわせ!!」
ふいに、隣からそんな声が飛んだ。
見ると、そこには足のケガを耐えながらも必死に桐谷くんに声援を送るイッチーが。
「そうだぞ!ここはお前一人じゃねーんだから!俺らのことも頼れ!」
コート内にいる、同じクラスメイトの子が桐谷くんに向かってそう言う。
「一人で全部やろうとすんな!俺らチームなんだから!みんなで勝とうぜ!」
私たちのクラスのみんなは、笑って桐谷くんにメッセージを送っている。