【完】クールな君に胸キュン中!



桐谷くんは戸惑いながらも、すみやかに近くにいた同じチームの選手にパスをまわした。



その人がかろやかにシュートを決める。



そのあと、桐谷くんはチームのみんなに肩を組まれたり、背中をバシンッと叩かれたりしていた。



「ナイスパス!桐谷!」


「もう一本、いこうぜ!」



桐谷くんは、みんなの言葉に困惑してるようで、その場で立ち止まる。



どうしたんだろう?と、一瞬、一抹の不安に駆られた。



だけどそれも、束の間のこと。



桐谷くんは、ふっとおだやかな笑みを浮かべたのだ。




そして、チームの中へと溶け込むように、みんなと連携しながら試合を進めていった。




――ピーッ!!



体育館で、大きな笛の音が響く。



「残り、1分!!」



スコアをみれば、【28-26】。



僅差ではあるけれど、あたし達のクラスが負けていた。



< 258 / 453 >

この作品をシェア

pagetop