透明人間
「はぁ、はぁ、はぁ…」
私は夢で目覚めた。またあの夢だ。今までこんなことはよくあったが、こう立て続けに同じ夢を見るのは初めてのことであった。もう一週間になる。その夢を見始めてから毎日見ないよう祈った後に寝ているのだが、寝るたびに苦しめられ、首を絞められ上げながらあの夢を見る。そんな夢を見るぐらいなら寝ないほうがましなのだが、そんなわけにはいかない。まったく皮肉なものだ。
こんな時、私は起きて一度居間に入り、そこでのどを潤す。そして落ち着いた時にはもう、居間を出ようとしている。向かうところは決まっている。
主寝室に入りベッドに腰をかけると、その横にある小さな机の上の写真を手に取る。三人が写っている写真だ。家を建てた時、記念として一枚、皆が笑っている。私は誠也の顔を指でなで、じっと写真を見つめた。そしてため息のように出てくる一言。
「誠也…」
こんな時、決まって無意識に目から涙が溢れ出し、誠也の顔が歪む。目をいくらこすっても隙間から溢れ出てくる涙は、写真を見る私をやめさせたいのか、または目が早く寝たいというつもりでやめさせたいのか、とりあえず写真を元の机に置き、ベッドに寝転んだ。しかしまだ涙は溢れ出してきて、目をつぶってもなかなか止まる気配はなかった。
窓からカーテンを透かして入ってくる月明かりは、涙の中を屈折して私の瞳に到達したその時、私は再び夢の中へ落ちた。
まるで美しくも、永遠に眠りに陥ってしまったかのように。
誠也がいなくなってから三ヶ月半、警察からの連絡がない。昇が出て行ってから一ヶ月、もうすぐクリスマスだというのに何も連絡をよこさない。
もう誰からも連絡を途絶えてしまった私の背後には、孤独という崖があるだけであった。
三ヵ月半、私は誠也の消息があるのを信じて必死に祈って生きてきた。しかしその可能性は日々が過ぎることに薄れていくことぐらいは分かっている。同時に祈る時間も長くなるのも知っている。やらないよりましであろうという考えが私の理性を押さえつけ、私をあがかせる。
私は夢で目覚めた。またあの夢だ。今までこんなことはよくあったが、こう立て続けに同じ夢を見るのは初めてのことであった。もう一週間になる。その夢を見始めてから毎日見ないよう祈った後に寝ているのだが、寝るたびに苦しめられ、首を絞められ上げながらあの夢を見る。そんな夢を見るぐらいなら寝ないほうがましなのだが、そんなわけにはいかない。まったく皮肉なものだ。
こんな時、私は起きて一度居間に入り、そこでのどを潤す。そして落ち着いた時にはもう、居間を出ようとしている。向かうところは決まっている。
主寝室に入りベッドに腰をかけると、その横にある小さな机の上の写真を手に取る。三人が写っている写真だ。家を建てた時、記念として一枚、皆が笑っている。私は誠也の顔を指でなで、じっと写真を見つめた。そしてため息のように出てくる一言。
「誠也…」
こんな時、決まって無意識に目から涙が溢れ出し、誠也の顔が歪む。目をいくらこすっても隙間から溢れ出てくる涙は、写真を見る私をやめさせたいのか、または目が早く寝たいというつもりでやめさせたいのか、とりあえず写真を元の机に置き、ベッドに寝転んだ。しかしまだ涙は溢れ出してきて、目をつぶってもなかなか止まる気配はなかった。
窓からカーテンを透かして入ってくる月明かりは、涙の中を屈折して私の瞳に到達したその時、私は再び夢の中へ落ちた。
まるで美しくも、永遠に眠りに陥ってしまったかのように。
誠也がいなくなってから三ヶ月半、警察からの連絡がない。昇が出て行ってから一ヶ月、もうすぐクリスマスだというのに何も連絡をよこさない。
もう誰からも連絡を途絶えてしまった私の背後には、孤独という崖があるだけであった。
三ヵ月半、私は誠也の消息があるのを信じて必死に祈って生きてきた。しかしその可能性は日々が過ぎることに薄れていくことぐらいは分かっている。同時に祈る時間も長くなるのも知っている。やらないよりましであろうという考えが私の理性を押さえつけ、私をあがかせる。