夢見るきみへ、愛を込めて。
*
雪を待っている。
あんなに頻繁に降っていたのに、一時的なものだったようでぱたりと止んでしまった。
今夜も星が明るい。ずうっと見上げていると、私が真っ暗闇に落ちてしまうみたい。
「深夜3時だよ」
ぼんやりしていた頭が声を拾って数秒後、私はいつのまにかそばに立つストーカーを見つけた。
「こんばんは」
「こんばんは、ってそうだけど。なかなか帰ってこないと思ったら……何してるの」
今日は来ていたらしい。おとといは来なかった。昨日は知らない。私は昨夜から家に帰ることもやめて、公園に来ていたから。
マンションから歩いて10分程度の公園はテニスコートや野球場の他に芝生広場も有していてとても広く、噴水や四阿もあるから休日の昼間なんかは近隣住民で溢れている。
私は公園の入り口にほど近い場所に設置されたベンチで、彼が隣に腰掛けるのを見届けたあと、再び空へ視線を投げる。
「何してたの」
あなたこそ、何してたの。なんて、私と彼がすることは決まっている。
「ぼうっとしてた。寝付けなくて」
話すだけ。他愛なくとりとめのない話を、気まぐれに。
だけど、最近はこれまで避けてきた内容を自ら話している気がする。
「それって外に出る必要ある?」
「ないけど。なんとなく嫌な夢も見そうだから、眠りたくないのかも」
「直感ってやつかあ。俺もあるよ。なんか金縛りにあいそうって。そう思うと絶対あうのなんでなんだろ」
「さあ……。直感なんて、そんないいものじゃないよね」
ああこれ、翠にも言ったな。
雪を待っている。
あんなに頻繁に降っていたのに、一時的なものだったようでぱたりと止んでしまった。
今夜も星が明るい。ずうっと見上げていると、私が真っ暗闇に落ちてしまうみたい。
「深夜3時だよ」
ぼんやりしていた頭が声を拾って数秒後、私はいつのまにかそばに立つストーカーを見つけた。
「こんばんは」
「こんばんは、ってそうだけど。なかなか帰ってこないと思ったら……何してるの」
今日は来ていたらしい。おとといは来なかった。昨日は知らない。私は昨夜から家に帰ることもやめて、公園に来ていたから。
マンションから歩いて10分程度の公園はテニスコートや野球場の他に芝生広場も有していてとても広く、噴水や四阿もあるから休日の昼間なんかは近隣住民で溢れている。
私は公園の入り口にほど近い場所に設置されたベンチで、彼が隣に腰掛けるのを見届けたあと、再び空へ視線を投げる。
「何してたの」
あなたこそ、何してたの。なんて、私と彼がすることは決まっている。
「ぼうっとしてた。寝付けなくて」
話すだけ。他愛なくとりとめのない話を、気まぐれに。
だけど、最近はこれまで避けてきた内容を自ら話している気がする。
「それって外に出る必要ある?」
「ないけど。なんとなく嫌な夢も見そうだから、眠りたくないのかも」
「直感ってやつかあ。俺もあるよ。なんか金縛りにあいそうって。そう思うと絶対あうのなんでなんだろ」
「さあ……。直感なんて、そんないいものじゃないよね」
ああこれ、翠にも言ったな。