ときには手を

「葉月のは本当に16番。あんたのは19番だよ」

そう言ってまたそれぞれに紙を返してくれたのは、日高くん、だった

「えー?あ、ほんとだぁ。まいの1よく見ると反対だね」

まいちゃんの言葉どおり、まいちゃんの1は9を6として見ると逆さまになっている

「ごめんね、透ちゃん。まいの勘違いだったよぉ」

「あ、うん、だいじょぶだよ」

よかった…誤解が解けて

あ、お礼言わなくちゃ

そう思ったときには日高くんはもう

何事もなかったかのように

男子の群れの中にいた


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