LOVEPAIN④
「もしかして、強姦魔とか?
部屋はそれ程荒れてないけど」
成瀬ではない男性の声が聞こえて驚き、
顔をその声の主に向けた
そこに立っていたのは、
いつか会った事のある成瀬の高校時代の友人の
永倉三咲
相変わらずな童顔で、
ブラウンのスーツとチェックのネクタイがよく似合っている
でも、上着は着ていない
それは成瀬もで、
私は成瀬のワイシャツを涙でびしょびしょに濡らしてしまった、
と、顔を離して気付いた
「三咲さんと飲んでたんですね?」
それにしても、
成瀬に泣き付いていて、
三咲さんが部屋に入って来た事に気付かなかった
そんな姿を三咲さんに迄見せて、恥ずかしいな
「そう。
三咲の奴が急に酒持って俺ん家来て。
明日、俺早いのに」
そう愚痴る成瀬の声は嬉しそうで、
なんとなく先程の成瀬の陽気な声も理解出来たような気がした
楽しかったんだ