LOVEPAIN④

「広子、お前……」


成瀬が少し驚いたようにこちらを見ているのは、

突然、私が泣き出したからだろう


ただ静かに、目から涙が溢れ流れて来る




「――あの学校の人達は…。
私を嫌いなんですよ…。
だから、日暮君も私が嫌いで……。
あの頃の私は…地味だし…貧乏で…人から見下されて…」


話し出すと、うっ、と嗚咽が漏れて、言葉に詰まる




「お前自身が、そんな自分を一番嫌いなんだろ?
一番、そんな自分を恥じてんだろ?

だから、そう思うんだろ」


成瀬のその言葉に、
え、と気付いてしまう



そうなのだろうか――



私自身がそんな自分を大嫌いで、
少し前迄の自分を恥ずかしいと思っている



そんな過去の自分を認めたくないから、

周りもそんな自分をそうやって思っているのだと思い込んでしまうのだろうか?



あの時の私を蔑んでいるのは、私自身





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