Innocent Smile~ずっと一緒に~
「あ、ああ…そうですね。
なんか、そういう気分でもなくって。」
「仔犬ちゃんは、たぶん行ったわよ。休憩コーナーに。」
沙織先輩は、社内でバレることを気使って、
恭哉のことを必ず『仔犬ちゃん』と表現してくれる。
『恭哉』という言葉を発さないために。
恭哉は、私が朝にコーヒー飲みに行くって知ってるから、
そこで私を待ってるのかな?……
「佐那子、テンション低いよ? どうかした?」
「いや……別になんでも。」
「仔犬ちゃんとケンカ……じゃないわよね。
だって彼、朝からハイテンションだったし。」
想像したら可笑しくてクスっと笑うと、沙織先輩も優しく笑い返してくれた。
「何か悩んでるんなら、言いなさいよ?
力になれないかもしれないけど、何でも聞くから。」
「…はい、ありがとうございます。」