Innocent Smile~ずっと一緒に~

「聖二、ありがと。ごめんね。
でも……でもね、恭哉の言ってること、正しいと思う。」

「…え?」

「何も、悪いことはしてないもの。
……私もね、聖二が言ったみたいなことで怖がってただけ。
自分を守ろうとしてただけなのよ。」

「佐那子……」


ヘラっと聖二に苦笑いを浮かべた後、恭哉のほうを見ると、ひどく動揺した表情をしていた。

聖二に言われたことが、ショックだったのかもしれない。


恭哉は私の腕を掴んだまま、無言で駅の方角へ歩き出す。

私は引っ張られながらも、振り返って聖二に軽く手でゴメンと合図を送った。


腕を掴んでいた恭哉の手は私の掌に移って、自然と手を繋ぐ形になっている。


「恭哉……」


話しかけても、チラっと私に視線を返すだけで一言も喋ろうとしない。


喜怒哀楽が、全て顔に出るような恭哉。

だから、顔を見ればすぐにどういう心境かわかる。


今は口を少しへの字に曲げて、眉根が寄っている。
『不機嫌です』と強調しているような顔だ。

それは電車に乗っても、変わることはなかった。


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