Innocent Smile~ずっと一緒に~
「あの部長、ピッチ早すぎなのよ!」
沙織先輩が、低めの声で愚痴ってくる。
オフィスで普段の会話のときは、もう少し…声は高めなんだけど。
いつも私と愚痴を言い合うときは、こうやって低めの声になるんだよね。
しかもお酒の席では、絶対にこの、ブラックな沙織先輩が登場する。
「最初から勢いよく飲んじゃってさ。
こっちがお酌に行く頃には、もうエロエロじゃん。
……佐那子、お疲れ。ごめんね。」
「ああ、いいですよ別に。
…お酌なんて、慣れましたし。
最初は嫌でしたけど、今はどうってことないです。」
沙織先輩は、ある意味私のいい“先生”だ。
お酌に行くタイミングとか、
誰のところにしに行けばいいかとか、
この人にはしなくていいとか。
細かいことまで私に教えてくれた人だから。
入社して何年かは、セクハラされそうになったところに、
助け舟を何度も出してくれたし。
私を可愛がってくれて、守ってくれた大好きな先輩だ。
だから私も同じように、後輩思いになろうと努めている。