【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
まあ別に、気にしなければいいだけの話だよね。
木村君の事なんか空気だと思うことにする。そうする。
木村君は、そのまま私の横を通り過ぎて、向かい側に座ろうとして──動きを止めた。
なんで座らないんだろう、と不思議に思っていると
「なあ、隣座ってもいい?」
「!?」
更なる爆弾発言。
さすがに驚いて、その驚きを隠すことなく木村君に向けてしまった。
だって、と、隣、って……!
友達同士ですら、こういう時は向かい合って座るものなのに、いきなり何を言い出すの!?
すると、木村君がなにを思ったのか困ったように笑って。
「俺さ、期末英語がピンチなんだよ」
と、なんとも脈絡のない話題を振ってきた。