【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
「私、ね」
ドキン、ドキン、と鼓動の音が鼓膜に響いて煩い。
息が、上がりそうで。
「私、木村君の事が好き」
顔が、火照る──……
一瞬、言われたことを理解出来なくて、呆然とした。
「……は?」
好き?
今、俺のこと好きって言ったのか?
「あ、あー……あれか、友達としてとか、そういうこと?」
やっとの事でその可能性を見つけて、苦笑いする。
都合のいいように捉えてしまいそうになって、危なかった。
勘違いするな、自惚れるな、と自分に言い聞かせる。なのに。
「違うよ」
沢森の言葉は、尚も俺を揺らす。
期待、させる。
真っ直ぐな沢森の瞳が俺を貫くから、俺はその場から動けなくなって。
そんな俺に、沢森が静かに近づいてきて、そして俺のことを抱きしめた。
「……っ、沢森!?」
柔らかい感触。
甘い匂い。