【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
渓斗君は、沢山沢山、私の事を愛してくれた。
いつも笑顔で私に接してくれた。
大きな愛で、優しさで、私を包んでくれた。
渓斗君と居ると、安心できた。愛されてるって実感があった。──そうして少しずつ、木村君は過去の人となっていった。
──そんなある日。
「……え?」
「いい知らせだぞ。次が最後の転勤になりそうだ。といっても東京に──本社に戻るだけだけどな」
ある日学校から帰ったら、嬉しそうにお父さんがそう言った。
「お前も、東京から離れるの嫌がってたしな。早く戻れることになってよかったよ」
いやしかし、こんな数ヶ月だけならわざわざ九州に来ることなかったなー、なんて笑うお父さん。
引越しの準備しなくちゃね、と微笑むお母さん。
ただ一人、私だけが取り残されていた。