シーソーゲーム
「…っていうか、あんたも座りなよ」
私はベンチをたたき、早く座るよう急かした。
夏になると、ここから満天の星が望める。まるでプラネタリウムをタダで観賞しているようなのだ。星のきらめきが一つずつ、克明に見える。昔、リョウとここに来て、星と星を結んで勝手に星座を作ったものだ。
それに、花火も見える。毎年行われるイベントで、その時はミズキも一緒に欠かさずここに来て、一緒に観ている。その帰りに近くの神社で屋台の出店もしているので、そこにも出向く。
「ここ来たのも久しぶりだね」
「そうだな。去年の夏、ここに花火を見に来たっきりだな。花火大会って、祭りの帰りだよな」
「そうそう…今年も祭りの帰りに、見に来ようよ。ね」
「まあ、多分、空いてると思うが」
「じゃ、約束…しなさい」
「できたらな」
「何で?できないの?」
「まあまあ。祖父の忌引きとか、そんなかんなで来れない日もあるだろ。まだそんな予定はないが、突然の不慮の事故的の想定だよ」
「じゃ、それ以外ならいいの?」
「ああ。行けるなら、ちゃんとメール送るよ。というより、メールで送っから」
「それにしても、あんた、想像に行き過ぎ」
まったく、と一旦安心した私は、また夕陽を眺めた。さっきより低い位置にあったが、美しさはいまだ健在だ。
「もうそろそろ暗くなっから、帰っか」
「そうね。でも、もうちょっとここにいさせて…」
私は自然にリョウの肩に寄りかかった。別に緊張やドキドキ感などはなかった。本当にごく自然に、流れでやってしまった。我に気付いても、私は寄りかかることをやめなかった。肩はごつごつとしていたが、ぬくもりがあった。
リョウも拒否しようとはしておらず、逆に受け入れているような感じだった。しかしそれは幼馴染で親友の壁を、まだ越えるものではなかった。
もうちょっと。もうちょっと…
私の気持ちは駆動する。
私はベンチをたたき、早く座るよう急かした。
夏になると、ここから満天の星が望める。まるでプラネタリウムをタダで観賞しているようなのだ。星のきらめきが一つずつ、克明に見える。昔、リョウとここに来て、星と星を結んで勝手に星座を作ったものだ。
それに、花火も見える。毎年行われるイベントで、その時はミズキも一緒に欠かさずここに来て、一緒に観ている。その帰りに近くの神社で屋台の出店もしているので、そこにも出向く。
「ここ来たのも久しぶりだね」
「そうだな。去年の夏、ここに花火を見に来たっきりだな。花火大会って、祭りの帰りだよな」
「そうそう…今年も祭りの帰りに、見に来ようよ。ね」
「まあ、多分、空いてると思うが」
「じゃ、約束…しなさい」
「できたらな」
「何で?できないの?」
「まあまあ。祖父の忌引きとか、そんなかんなで来れない日もあるだろ。まだそんな予定はないが、突然の不慮の事故的の想定だよ」
「じゃ、それ以外ならいいの?」
「ああ。行けるなら、ちゃんとメール送るよ。というより、メールで送っから」
「それにしても、あんた、想像に行き過ぎ」
まったく、と一旦安心した私は、また夕陽を眺めた。さっきより低い位置にあったが、美しさはいまだ健在だ。
「もうそろそろ暗くなっから、帰っか」
「そうね。でも、もうちょっとここにいさせて…」
私は自然にリョウの肩に寄りかかった。別に緊張やドキドキ感などはなかった。本当にごく自然に、流れでやってしまった。我に気付いても、私は寄りかかることをやめなかった。肩はごつごつとしていたが、ぬくもりがあった。
リョウも拒否しようとはしておらず、逆に受け入れているような感じだった。しかしそれは幼馴染で親友の壁を、まだ越えるものではなかった。
もうちょっと。もうちょっと…
私の気持ちは駆動する。