シーソーゲーム
ここにいる自分が他の人とかけ離れている存在で、私が一人取り残されているような気がした。周りが白黒で、その中に浮いたカラーの自分がいる。自分が特別だ何て思えなかった。
昔、私はこんなことを思ったことがある。自分が特別な存在なんだと。しかしそれは嘘で、実際、私は特別なんかじゃなかった。それは物心が着いた、いや、着いていると思っていた小学五年生の頃、私が親に連れられてコンサート会場に向かった時だった。当時、私はそこまで音楽には興味がなかった。ただ、どんなものかとは興味があった。だがそれ以上の目的はなかった。いざ行ってみると、そこは私の目を丸くさせた。人がざわめいている。恐ろしい断末魔のように、まだ暗い会場で騒いでいる。そしてライトが点火した瞬間、そこは魔物が降りたように、会場内の人の血が騒ぎ立っていた。恐ろしかった。歌手が出てくると、さらに騒ぎ立つ。私はそこに二時間近くいた。その二時間は耳に入ってくる音と視覚的に広がるうごめく人とちかちかと光るライトだけだった。そして終わった。その帰りも驚いた。あの狭い空間にいた人は、こうして歩いて自分の住居に帰ろうとしている。その列は二度と途切れないのではないかとまで思った。ここに世界中の人が集まっているのではと思った。あそこにいた人は何人かと父さんには聞けなかった。恐かった。だけどそれは無意味だった。その日、親と家に帰って夕食を食べても、おいしく感じなかった。それに変に落ち込んでいる私を気遣った親は気の聞いた話をしようと家族を笑わせたが、それは私にとって何も感じさせなかった。私の周りにいる家族、友人は世界で一番楽しくて面白いやつだと思っていた。リョウは例外で一番を飛びぬけていた。だが、それは果たして本当なのか考えた。そういえば毎日見ているテレビだって、出演している芸人や街頭インタビューに答えている人も面白い。
昔、私はこんなことを思ったことがある。自分が特別な存在なんだと。しかしそれは嘘で、実際、私は特別なんかじゃなかった。それは物心が着いた、いや、着いていると思っていた小学五年生の頃、私が親に連れられてコンサート会場に向かった時だった。当時、私はそこまで音楽には興味がなかった。ただ、どんなものかとは興味があった。だがそれ以上の目的はなかった。いざ行ってみると、そこは私の目を丸くさせた。人がざわめいている。恐ろしい断末魔のように、まだ暗い会場で騒いでいる。そしてライトが点火した瞬間、そこは魔物が降りたように、会場内の人の血が騒ぎ立っていた。恐ろしかった。歌手が出てくると、さらに騒ぎ立つ。私はそこに二時間近くいた。その二時間は耳に入ってくる音と視覚的に広がるうごめく人とちかちかと光るライトだけだった。そして終わった。その帰りも驚いた。あの狭い空間にいた人は、こうして歩いて自分の住居に帰ろうとしている。その列は二度と途切れないのではないかとまで思った。ここに世界中の人が集まっているのではと思った。あそこにいた人は何人かと父さんには聞けなかった。恐かった。だけどそれは無意味だった。その日、親と家に帰って夕食を食べても、おいしく感じなかった。それに変に落ち込んでいる私を気遣った親は気の聞いた話をしようと家族を笑わせたが、それは私にとって何も感じさせなかった。私の周りにいる家族、友人は世界で一番楽しくて面白いやつだと思っていた。リョウは例外で一番を飛びぬけていた。だが、それは果たして本当なのか考えた。そういえば毎日見ているテレビだって、出演している芸人や街頭インタビューに答えている人も面白い。