シーソーゲーム
 今頃何をしているのだろうと一途に思い、だがそれは何もやっていない私と対比させて、ただ痛い思いを感じるだけだった。はるか昔に心臓が傷ついて、しばらくしてやっと癒えたというのにまたうずきだすような、心が痛むとはこういうことだろうか。

 生きている理由なんてないと思い始めている自分と、もしかしたらと奇跡を信じている自分がいる。立ち直り、新しい道を拓こうという自分はいない。

 数日経てばすぐ始業式で、そのことを思い出したのは前日だった。

 その日に私は外へ出る気も、テレビを見る気も、特に何をしようという気も起きなかった。ただ、しばらく風呂に入っていなかったなと風呂に入っただけだった。それは一週間ぶりで、蓄積された体の疲労と気持ちよさで優しく包んでくれた。風呂上りに何か食べようと思い立って冷蔵庫を開けたが、残っているものはお粗末で、牛乳半分とバターと玉子二つだけだった。私はその内、玉子を一つだけ使って目玉焼きを焼いた。そして食パンもつけて空腹を満たそうとしたが、それも意外に今まであまり食べていなかったおかげですぐ満腹になった。

 まだ外は明るかった。夏休み初めとは変わって、早く夕陽が落ちるようになった。

 それでも私は寝ようと思った。明日の用意をした後、電気を消してすぐに寝た。


 一人で学校に向かった。その道、誰とも会わなかった。朝早くから川付近は霧がかかっており、曇り空なので周囲はややぼやけて白いだけで、その霧の先はよく見えなかった。学校に着いても閑散と寂しく、自転車の数も少なかった。まだ人がいないことを物語っている。

 教室に入ると、まだ誰もいる気配はなかった。これはこれでよかった。今だけは一人でいたかった。この教室に一人でいる空間が、虚しさだけが友達に思えた。

 時間が経つのは早い。続々と人は教室に入ってきた。

 私は机に身を任せて寝ていたので、そのことは気にしなかった。ただ起きた時に驚いただけだ。
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