シーソーゲーム
 私は何ために存在し、何のために生きて、そして私は何?もしかしたら、価値が無いんじゃないの?もし私のすべてを知っている人がいたら、教えて欲しい。いや、人と限らず、何でもいい。

 私はベランダのふちに手をかけ、ふちを強く握った。腕にも力が入り、その力は体にまで伝わる。足は地面を離れ、ふちの上に掛けようとしていた。

 だがその時、私の背後から声がした。誰もいないはずの部屋のはず。

 私は足を地面に戻し、恐る恐る、振り返った。

「…誰?」

 目の前にいたのはまだ見ず知らずの私より小さいだろう、女子がいた。私はその場から動けず、突然のことに驚きを隠しきれなかった。だが私は勇気を出して、問いだした。

「あなた…誰?」

 彼女は私を中に入れようと手で招いていた。私の部屋なのだが、いつの間にか立場は逆になっていた。だが私はその対応に応えるのであった。

 私が部屋に入ると、その子は黙って扉を閉めて、カーテンも閉めた。部屋を真っ暗にした。唯一の明かりといえば、カーテンの向こうから薄く洩れる月明かりだけであった。

 私はその子に指された指定されたベッドの上に腰をかけた。

 私は混乱をしていないことを確認した。なるべくそう陥らないように気を付けている。しかし動揺と圧倒に押されていた。よって私から切り出すことができなかった。

 彼女から話し出すのを待っていたが、彼女はずっと立ったままで、カーテンを閉めたい地にずっと立っている。カーテンを見つめているのか、それともカーテンを通してでも向こうが見えるのか、まっすぐ目の先を変えなかった。

 しかし私からも切り出せない。何度も言いたいことが脳にぼんやりと浮かんでいるが、まだ頭の中の整理が先なのか、言い出せない。できれば彼女から切り出して欲しい。

「待ってた…」

 彼女は唐突に一言を言った。素朴に、寂しく、小声だった。

 私はそれをやっと聞き取ることができた。危うく逃すところだったが、この言葉の意味は何だろうか。そして彼女は誰だろうか。

「私は…あなたに招かれたもの…創造物…」

 何を言っているのだろうか。この言語を理解できる人に、是非翻訳して欲しい。

「私はあなたが望んだからここにいる…」
< 51 / 214 >

この作品をシェア

pagetop