シーソーゲーム
 彼女は何と言ったか、是非もう一度聞きたいものだ。

「私はあなたが望んだからここにいる…」

「え…」

 私は確かに私のことを教えてくれるものならば、誰でも何でもいいと思った。だがそれはほんの冗談のようなものだった。まさかだとは思うが、こんなことは無いはずだ。だが、私は試してみようと思った。

「あなたは…なんなの?」

「私はあなたに招かれた者…あなたが作った…創造物」

「それは分かった。だから、何であなたはここにいるの?」

「あなたが望んだから…」

「分かってる」

 依然、カーテンをずっと見つめたまま、動こうとしない。まるで不思議少女だった。必要なことしか話さない。まったく扱いが難しい。

「それで聞くけど…あなたの目的は?」

「あなたの望みどおりに来た…その他の何用でもない」

「それじゃあ、私の望みで来たの?」

「そう…」

「何で?」

「あなたが望んだから…」

「もう、同じことを言うのは禁止ね。それで、あなたは何を伝えに来たの?」

「あなたの聞きたい事をすべて教えるために来た…」

 正直、私はこんなファンタジーでSFチックなことを信用したわけではない。まだ警戒は解いていない。まだ不審だと思っている。

 そりゃそうでしょ。何も無いところから忽然と現れたり、不法侵入をしているわけだし。

 私は聞きたい事を聞いてみた。すると的確に返してくれる。

 私は何なのか。すると人間だという。

 私はここで何をやっているのか。生きている。

 私は何のために生きているのか。みんなのため。

 あまりに的確で単調すぎて、逆にあきれてしまった。はっきり言って、信じられない。面白くも無い話に首を突っ込む気はない。彼女自体が嘘の偶像に思えた。質疑応答を繰り返すうちに積もるストレスを彼女にぶつけた。

「あなたがどこの誰だか知らないけれど…」

「私は外から…宇宙から来た…私は渋…航…」

 今、何を言ったか。宇宙から来た。そう言った。つまり、宇宙人なのか。

「そう…」

 今頃頭が混乱してきた。この展開は何だろうか。
< 52 / 214 >

この作品をシェア

pagetop