シーソーゲーム
 そして終わってみれば、曲はいつもより多く歌っていた。時間がいつもより長く感じられた。これも私の力なのだろうか。おかげでのどが痛かった。

 外はまだ明るく、日は高かった。だが二人は早く帰りたいのか、逃げるようにして一目散に去った。私もその後をついていくので精一杯だった。

 ミズキとはY字路で別れ、帰る途中に公園が目に入った。あの、リョウに言われて私を絶望にした。だが本当に最後に、これでもうここには来ないと誓おうか。

「ねえ、公園に寄ってかない?」

 私たちはすぐに座り慣れたブランコに座った。

 先ほどまで子供たちがいたが、こういう時は誰もいないほうがいいと思った。この公園に踏み入れるのは最後にして、もう、同じ過ちは踏み間違えないようにしよう。

 だが、リョウに対して誤解を招いてしまったようだ。

「で、一体、なんだ。話があるんだろ。言ってみろ」

 それはない。だが、一つだけ確かに確かめたいことがあった。それは昨日の夕方、ここで言ったリョウの言葉をこのリョウが知っているかどうかということだ。

「は?昨日は携帯で話しただろ」

 やはり知らないようだ。私は本当に過去にさかのぼったらしい。不思議なことがあるものだ。きっとこの世でこんなことができるのは、世界で私だけだろう。

 そういえば、明日、ルイが転校して来る日だ。これを教えてあげようかあげないか。でも人間のしたいという気持ちは誰に求められないな。

 私はそろそろ帰ろうかと思い、立ち上がった。そしてリョウを置き去りにして自転車に乗った。そういえばこうやって、あんな変な話ではなく、こうやって自由に話せたのは久しぶりだ。心を許していた。あの時のリョウは、違うリョウだ。

 私は何を言ったか覚えていない言葉を発し、きっとその時の気持ちを言ったのだろうが、これからに差支えがなければいいだろう。

 私は自転車をこいでそこから去った。


 球技大会の前に行われるテスト。それは何が出るか、一回テストを見たことがあるので、簡単に解けた。テストのための勉強会を開いて、そのテストの貢献に一役買った。

 そして球技大会の日。すでにルイも転校してきていることだし、とりあえず、私が目立とうと思った。そうしてリョウに見てもらえれば。
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