シーソーゲーム
 だって、リョウがルイに見惚れていたんだもん。なんか嫌だ。というより、絶対、今度こそは、私が。

 だが違った。私が目立とうとすると、リョウは怒る。その理由が分からない。私はリョウを理解できない。ただ、リョウのことが好きだと一心なのに。私も苛立ちを隠せなくなっていた。

 しかもルイはリョウと仲良くなりかけている。それもそうだ。エラーすると思ったフライを捕ってしまったのだ。未経験者のルイがだ。奇跡だとしか思えない。しかし奇跡とは続くもので、二回目も捕ってしまった。

 それを褒めるリョウも嫌だった。

 私はその一日目、リョウと関わりを持たなかった。リョウも持とうとはしなかった。これがチャンスなのか。いや違う。

 教室に戻っても、リョウはいない。ただ私は悩むばかりであった。

 二日目はどうにかしてよりを戻せねば。

 それを別に置いといて、私たちのチームは前とは違って、なんとリーグで優勝し、決勝トーナメントへと上がった。

 そしてその試合で、私はリョウに一喝された。だが私にもその理由がある。言えないことだけど。それを機に、私たちは元に戻った。試合は犠牲にしてしまったが。

 最後は岸のエラーで点を取られて逆転負けだったが、それをリョウは優しいから慰める。

 誰に対してでも優しいのは昔から知っている。だからそれを見ているから嫌になるのだと思い、しばらくはリョウと離れようと思った。

 閉会式の時、リョウは私を探していてくれたようだった。私は悪いことをしたなと思いながらも、照れは隠し切れなかった。どんな理由であろうと、私を探してくれたのは嬉しい。しかしリョウは話し出そうとしない。その駆け引きというか、小突き合いが楽しかった。

 私は明日打ち上げに行こうと誘った。だが、リョウはどうやら理由があるらしく、明日は行けないと言う。なら明後日にしよう。

 今日、私は帰ってからしなくてはいけないことがある。リョウからの誘いを断ったのが何よりももったいなく思えた。

 そして更衣室で着替えていると、岸は入ってきた。お疲れ、と挨拶して、自分のエラーで終わった試合なのに、嬉しそうな顔をしている。何があったのだろうか。
< 63 / 214 >

この作品をシェア

pagetop