シーソーゲーム
 それを聞いて安心した。私が作ったシナリオ。いつか、私の正体を教えなければいけない時が来る。その時までに、リョウには大体のことを知ってもらい、私が自分のことを話しだした時に理解しやすく、そしてすんなりと理解してもらえるようになってもらいたい。そうすれば上手くいくと、私は思っていた。バックアッププランは、考えていない。

 今回は果たしてどうなるか。世界は私に託されている。だが私にはその実感が無い。一度世界を破滅したのにも関わらずに。例え失敗したとしても…その後のことは考えていない。

 私は絶対の自信があった。一度知っている世界を迷い、間違えるはずが無い。それが私を勢いづける原因だった。一度くらい大丈夫だろう。きっとルイとはこれだけだ。

 渋は知らないうちにいなくなっていた。きっと帰ったのだと思うが、ひとことぐらいはこえをかけてもいいのではないか。

 私は一人で一通りの家事を済ませて、勉強をして、テレビを見て、風呂に入って、ベッドにもぐった。特にすることは無い。こんな日が、何日続くのだろうか。ベッドの中から窓を通して満天の星が見える。リョウの言ったあの後、外はどうなったのか。私は知らないが、とりあえず外は平和そうで安心だということなのだろうが、気になってしまう。

 そして、この元に戻ってから常に考えていることがある。なぜ私が神なのかだということだ。渋が言うには、この世の人間のちょうど平均値であるのが私だと言うのだが、平均とはどういうことなのだろうか。欲や話し方や学力や運動神経なんかすべてをひっくるめての平均なのだろうか。こんな裕福な国の私ではなく、もし他国の貧困に苦しむ人たちが神であるならば、きっと誰もが平等な国になっていただろう。自分だけでなく、人のことも考える社会になっていただろう。私なんかは今に実際、自分のことしか考えていないのは誰に聴いても分かる。なぜ私なのだろうか。
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