シーソーゲーム
それに私はルイのことを消えて欲しいとは思っていないし、これは予想外だった。自分が神だったから消えたのでは、いや違う。ルイが呼んだから悪いんだ、そうだ。私は自分をそう慰めることしかできなかった。
「すみません…遅れました…」
授業を行っている途中、教室の後ろの扉が開いた。そこにはYシャツの腹辺りを汚したリョウがいた。後ろの首辺りをさすっている。
「どうしたんだ。遅刻の理由は」
「いや、ちょっと…寝てました」
教室からクスクスと笑い声が聞こえた。
「たくっ…これからは気をつけろよ」
「あ、はい」
リョウが席に着くと、首をひねり始める。やはり違和感があるのだろうか。しかしケロッとした顔をして、さっきまであったことを忘れているようであった。
私は前のリョウが気になったので振り向かせようとしたが、目が合うのが怖い。もしかしたらそれがきっかけで記憶が回帰されてしまうのではないのか。絶対思い出せないはずなのだが、不思議とそんな怯えが自分には見える。
授業が進む中、私の緊張はだんだんと増す。もしかしたら突然後ろを見るかもしれない。消しゴムを落として私が拾い、その時に目が合うかもしれない。私の妄想は広がるばかりであった。
無事授業は終わった。
先生が教室を出るなり、リョウは振り向いて何気なく話してくるのであった。リョウは何も気付かない。何も思い出さないようで、いつものように話す。
前に記憶を消したミズは、何気なくそれらしく振舞っているようにも思えて、実際、自分にそんな能力があるのか分からなかった。
とりあえずこの時間、ミズキはリョウが遅れたことに関してやけに突っかかるので、私には被害という被害はなかった。
放課後にも何もなく、数日経っても変化は見られない。これが正常だと言わんばかりだ。
しかし私にルイのことを思い出させる機会がやってきた。
梅雨の季節、成城のいじめ問題だ。前はルイが助けた。今回は誰が助けるのか。
私は外に降る雨を一滴、また一滴と上から下に法則的に落ちる雨の数を数えていた。
するとその時はやってくる。あの女子の塊だった。相変わらずのいじめっぷりだ。顔にも嫌な相が見える。
「すみません…遅れました…」
授業を行っている途中、教室の後ろの扉が開いた。そこにはYシャツの腹辺りを汚したリョウがいた。後ろの首辺りをさすっている。
「どうしたんだ。遅刻の理由は」
「いや、ちょっと…寝てました」
教室からクスクスと笑い声が聞こえた。
「たくっ…これからは気をつけろよ」
「あ、はい」
リョウが席に着くと、首をひねり始める。やはり違和感があるのだろうか。しかしケロッとした顔をして、さっきまであったことを忘れているようであった。
私は前のリョウが気になったので振り向かせようとしたが、目が合うのが怖い。もしかしたらそれがきっかけで記憶が回帰されてしまうのではないのか。絶対思い出せないはずなのだが、不思議とそんな怯えが自分には見える。
授業が進む中、私の緊張はだんだんと増す。もしかしたら突然後ろを見るかもしれない。消しゴムを落として私が拾い、その時に目が合うかもしれない。私の妄想は広がるばかりであった。
無事授業は終わった。
先生が教室を出るなり、リョウは振り向いて何気なく話してくるのであった。リョウは何も気付かない。何も思い出さないようで、いつものように話す。
前に記憶を消したミズは、何気なくそれらしく振舞っているようにも思えて、実際、自分にそんな能力があるのか分からなかった。
とりあえずこの時間、ミズキはリョウが遅れたことに関してやけに突っかかるので、私には被害という被害はなかった。
放課後にも何もなく、数日経っても変化は見られない。これが正常だと言わんばかりだ。
しかし私にルイのことを思い出させる機会がやってきた。
梅雨の季節、成城のいじめ問題だ。前はルイが助けた。今回は誰が助けるのか。
私は外に降る雨を一滴、また一滴と上から下に法則的に落ちる雨の数を数えていた。
するとその時はやってくる。あの女子の塊だった。相変わらずのいじめっぷりだ。顔にも嫌な相が見える。