シーソーゲーム
 ここは私が出るべきかと迷っていた。だが決心して、椅子をずらそうとすると、リョウは言った。

「やめろよ。お前ら」

 トイレから帰ってきたリョウは言う。ミズキも引き連れていた。

「そんなに楽しいか」

 ミズキも加戦をする。

 どこかで見たことがある光景がまたデジャブのように動き出す。

 女子らは去り、二人は戻ってくる。温かい目が二人を包んでいた。

 だが成城は感謝するような顔もせず、相変わらず顔は硬直状態だ。まるで第二の渋を見ているようだ。

 リョウたちが戻ってくると、私は考えた。

 ルイの変わりにリョウがやったこと。もしかしたらいなくなった存在は、他の人が埋めるのではないか。もしかしたらだが、そこにはいるのは誰でもいい。つまり結果に導かれたことは、初めから何も動じない。もしかしたらそうなのかもしれない。

 この時の時間だけは非常にゆっくり流れたように思えた。実際、遅いとも感じた。

 その後は早く流れた。特別その時だけだったようで、夏休みが始まろうとしていても、待ち遠しくて時間が遅く感じたりしなかった。

 夏休みといえば前と同様、キャンプの予定が入っている。リョウやミズキ、ミズらもそのことで話し合い、決めた。前と同様の日にちだと、散々なことが起こりそうだ。ただ何となく、嫌だっただけなのだが。それならばそれよりも前か後に行けばいいのだが、それよりも前に行くことにし、提案した。その日に決まり、後日変更があるならば、また連絡をするということで一軒は落着した。

 後はただ何もないことを祈るだけだ。それは変な違和感のような、不吉な予兆を感じていた。今回のキャンプ、果たしていいものなのだろうか。ミズがまた邪魔するかもしれない。しかしそれとは大きく異なっているような気がした。


 無事にキャンプ場まで着き、空は快晴。素晴らしい日和だ。山も霞など見られず、まさしく絵に描いたようだ。

 そして夕飯の仕度ということで、私とリョウはまた同じ組となり、薪を集めに林に入った。

 会話は話題がよかったのか、いつも以上に弾み、どんどん発展していった。今までで一番楽しい時間かもしれない。
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