シーソーゲーム
そして始めた。私は一生懸命に歌い、弾いた。リョウもネクタイを途中で緩め、本気でやっている。あんな目を見るのは久しぶりだ。
今日用意したのは二曲。実はもう一曲あるのだが、それは未完成だった。
一曲目が終った時、体育館の椅子は、半分埋まっていた。それを見て、満足そうな顔をしている。
後一曲あることを告げ、本格的なバンドを始めた。
リョウは成城からベースを渡し、代わりにギターを受け取った。
そして始めるのだ。リョウの即席オリジナルが。
後夜祭でも歌った。私たちは選ばれた。リョウに早々と曲を書いてもらい、即席だが聴いてくれた人は騒いで、盛り上がってくれた。そしてアンコールもあったので、多分あまり聞かれていない、昨日の一曲目の曲を歌った。
そして『輝望祭』は幕を閉じた。
私にとって、十分な思い出だった。リョウと一緒のステージに立ったし、それに楽しかった。これでもう高校生の思いではいらないと思った。だってこんな楽しい気分になれたのは、初めてだ。
リョウは後で俺に感謝しろと恩着せがましくするが、確かにリョウのリードで大成功であった。しかも曲は極限に仕上げられていて、曲の最大の良さが引き出されていた。渋も成城も素晴らしいほど的確で、唯一リーダーの私が一番出遅れたような感じだった。
しかしそれがきっかけで、リョウはモテ始めた。
正直驚いた。私はそれがきっかけで、もしかしてリョウの気持ちが揺らぐのではないかと不安に思った。
女子に囲まれ話しているリョウの顔は清々しいほど嬉しそうだ。
私はその中を割り込んで、早く帰ろうと誘ったが、もう少しだからと言うだけで、結局ミズキと二人で帰ることにした。今日は休日なのだが、模試で学校があり、さらに夕方までかかった。
そのすっかり疲れてしまった帰り、ミズキは言う。
「あいつ…変わったよな」
その一言は深く見事矢を射られた。ちょうど心臓辺りだろう。むかむかする。しかしそれはまだ核心ではない。いつ頃かと尋ねてみた。
「それは、ええと…成城さんを助けた時ぐらいかな…」
今日用意したのは二曲。実はもう一曲あるのだが、それは未完成だった。
一曲目が終った時、体育館の椅子は、半分埋まっていた。それを見て、満足そうな顔をしている。
後一曲あることを告げ、本格的なバンドを始めた。
リョウは成城からベースを渡し、代わりにギターを受け取った。
そして始めるのだ。リョウの即席オリジナルが。
後夜祭でも歌った。私たちは選ばれた。リョウに早々と曲を書いてもらい、即席だが聴いてくれた人は騒いで、盛り上がってくれた。そしてアンコールもあったので、多分あまり聞かれていない、昨日の一曲目の曲を歌った。
そして『輝望祭』は幕を閉じた。
私にとって、十分な思い出だった。リョウと一緒のステージに立ったし、それに楽しかった。これでもう高校生の思いではいらないと思った。だってこんな楽しい気分になれたのは、初めてだ。
リョウは後で俺に感謝しろと恩着せがましくするが、確かにリョウのリードで大成功であった。しかも曲は極限に仕上げられていて、曲の最大の良さが引き出されていた。渋も成城も素晴らしいほど的確で、唯一リーダーの私が一番出遅れたような感じだった。
しかしそれがきっかけで、リョウはモテ始めた。
正直驚いた。私はそれがきっかけで、もしかしてリョウの気持ちが揺らぐのではないかと不安に思った。
女子に囲まれ話しているリョウの顔は清々しいほど嬉しそうだ。
私はその中を割り込んで、早く帰ろうと誘ったが、もう少しだからと言うだけで、結局ミズキと二人で帰ることにした。今日は休日なのだが、模試で学校があり、さらに夕方までかかった。
そのすっかり疲れてしまった帰り、ミズキは言う。
「あいつ…変わったよな」
その一言は深く見事矢を射られた。ちょうど心臓辺りだろう。むかむかする。しかしそれはまだ核心ではない。いつ頃かと尋ねてみた。
「それは、ええと…成城さんを助けた時ぐらいかな…」