blue moon
「その女の子な
ばあちゃんにカサ渡して見送った後
自分が雨やどりしてんねんで」

アタシは一切クチを開かない。

「汚い女ばっか見てきたから
余計にその子が純粋に
見えたんやろな」

「その子に
一目惚れしたの?」

アタシは
ようやくクチを開いた。

「こんな女
ええなとは思った。
その子の顔なんて
ほとんど覚えてないけど乃亜とその子が
ちょっと似てる気がしたから声かけてしもうた」

アタシはまた
下を向いたまま
ダマった。


「気悪くした?
でも今は乃亜の事が
好きやねん」

青夜はフォローを
入れてきた。
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