blue moon
「はい。乗って」

めずらしく
青夜は車のドアをあけてくれた。

「今日はなんで
お姫様あつかいなの?」

「めっちゃ久々に会ったから
優しくしてんねん」


本当はアタシも
何日かぶりに顔を見て
うれしさとトキメキで
胸がいっぱいだった。

でも
ドンと構えて待つ女は
久々に会っても
ドンとしていなくては
いけないと思った。


「ほな。行きますか」


目的地がどこか知らないまま
おとなしく助手席に
座った。
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