17歳─恋のはじまり─
エレベーターを降りて
右を曲がってすぐの病室。

ここまでは、
いつも通りだった。


いつも通りだったんだ。


「早く!家族に連絡して!」

「救急カート持って来て!」


右に曲がってすぐ、
異変に気づいた。

ドサッとあたしの手から
紙袋が落ちる。


手が、震えた。


「は…?」


隣に居る佐々木くんから
漏れた言葉にすら気づかないくらい

頭が真っ白になる。


看護師さんの慌てる声、
病室から聞こえる器械のアラーム。
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