愛してもいいですか
「これ、あなたのですか?」
「えっ……あっ、はい」
「はい、これ。スマートフォン、落とすと画面割れやすいから気をつけて」
にこ、と微笑み携帯を手渡す彼に、私は受け取る。
見た目がいいだけじゃなく物腰も柔らかいなんて、俗にいう“いい男”というものなのだろう。少し照れながら髪を耳にかける。
「あ、ありがとう」
「いいえ。でも俺の足元に携帯が飛んでくるなんて、何かの縁だと思いません?」
「へ?」
え、縁?
どういう意味かと問いかけようとすると、携帯を差し出す手は受け取ろうとした私の手をぎゅっと握った。
「この後二人で食事でもどうですか?可愛いお嬢さん」
その言葉とともに、へらっとこぼされた笑顔。それはつまり、一般的に言う……ナンパ、というやつで。
社内で、恐らく社員であろう男が、社長である私をナンパ?……いい度胸しているじゃない!!