Secret Lovers
長身の男子生徒らしく、私は少し見上げて、相手を確認した。
“……う、わー!一番会いたくない人!”
その人物は、紛れもなく周防奏多本人だった。
姿を確認すると、優子は即座に私の後ろに隠れた。
あんなことがあったのだから、仕方がない。
周防奏多はこちらを見下ろしたまま、少し目を細めて、「……君たち」と落ち着き払った声を出した。
「……何?」
つい警戒してしまった私は、睨みつけながら先輩相手ということも忘れた口調で構えてしまった。
すると、周防奏多は淡々と一言だけ。
「……そこをどいてほしい」
「え、あー。……はい」
当然すぎることを言われ、私は大人しく扉の前から退いた。
周防奏多は「ありがとう」とこちらを見ずに礼を言うと、真っ直ぐに三田のところへ向かって行った。
「あー、三田先生、演劇部顧問だからかな?」
後ろに隠れていた優子はいつの間にか私の隣に戻り、冷静な口調でそう言っていた。
「似合わないなー、三田と演劇って」
「凛、怒られるよー。それと、よかったの?」
「何が?」
職員室から出ながら、苦笑する優子に問いかけた。
優子は口元に手を当てて、クスクスと笑いながら「落とす相手とのファーストコンタクト、あれでよかったの?」と言い直した。
「……忘れてた」
「凛らしいね」
こんなんだから、きっと、今まで恋愛ができなかったのかもしれない。
“……う、わー!一番会いたくない人!”
その人物は、紛れもなく周防奏多本人だった。
姿を確認すると、優子は即座に私の後ろに隠れた。
あんなことがあったのだから、仕方がない。
周防奏多はこちらを見下ろしたまま、少し目を細めて、「……君たち」と落ち着き払った声を出した。
「……何?」
つい警戒してしまった私は、睨みつけながら先輩相手ということも忘れた口調で構えてしまった。
すると、周防奏多は淡々と一言だけ。
「……そこをどいてほしい」
「え、あー。……はい」
当然すぎることを言われ、私は大人しく扉の前から退いた。
周防奏多は「ありがとう」とこちらを見ずに礼を言うと、真っ直ぐに三田のところへ向かって行った。
「あー、三田先生、演劇部顧問だからかな?」
後ろに隠れていた優子はいつの間にか私の隣に戻り、冷静な口調でそう言っていた。
「似合わないなー、三田と演劇って」
「凛、怒られるよー。それと、よかったの?」
「何が?」
職員室から出ながら、苦笑する優子に問いかけた。
優子は口元に手を当てて、クスクスと笑いながら「落とす相手とのファーストコンタクト、あれでよかったの?」と言い直した。
「……忘れてた」
「凛らしいね」
こんなんだから、きっと、今まで恋愛ができなかったのかもしれない。